家計管理

家計管理は何から始める?手取りを固定費・変動費・先取り貯蓄に分ける3つの表

更新日 2026.10.15 出典:総務省統計局「家計調査」(2025年)・金融経済教育推進機構

公開:2026年10月|最終更新:2026年10月

本文の数字は2026年10月時点の公表資料・公式ページと照合しています。

制度や料金は変わることがあるため、手続きの前に公式ページで最新の条件を確認してください。

家計管理は「手取り」「固定費と変動費」「先取り貯蓄」の3つの表から始めます

家計管理の最初の作業は、①毎月の手取りを1つの数字にする、②支出を固定費と変動費に分ける、③先取り貯蓄の額を先に決める、の3つの表を作ることです。総務省「家計調査」(2025年)によると、単身世帯のうち勤労者世帯で34歳以下の人は、手取りにあたる可処分所得が月約31.16万円、消費支出が月約17.92万円となっています。

細かい家計簿を毎日つけるのは、この3つの表ができてからでも遅くありません。最初に「入ってくる額」「毎月ほぼ決まって出ていく額」「先に取り分ける額」が決まれば、残りが自由に使える額として見えるようになります。

表1 毎月の手取りを1つの数字にする

手取りとは、給与から税金と社会保険料を差し引いた額のことです。家計調査では「可処分所得」と呼ばれ、実収入から直接税や社会保険料などの非消費支出を差し引いた額と定義されています。

(単位:円、1か月平均)

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項目単身・勤労者(34歳以下)二人以上・勤労者(世帯主40歳未満)
実収入370,718645,562
非消費支出(税金・社会保険料)59,146104,025
可処分所得(手取り)311,571541,537
消費支出179,225301,216
黒字(可処分所得−消費支出)132,346240,321

<出典:総務省「家計調査年報(家計収支編)」単身世帯 第2表、総務省「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」表Ⅰ-2-2/2025年>

家計調査の実収入には、賞与を12か月にならした額が含まれています。34歳以下の単身勤労者世帯では、勤め先からの定期収入が月約28.87万円、臨時収入・賞与が月約7.80万円です。毎月の生活費は定期収入の手取りで組み、賞与は年払いの支出や貯蓄に分けておくと、賞与が減った年にも毎月の予算が崩れません。

自分の手取りは、給与明細の「差引支給額」の直近3か月の平均で確かめられます。年収から手取りを見積もる方法は「手取り30万円は年収いくら?」で試算しています。

表2 支出を固定費と変動費に分ける

固定費は、契約で毎月ほぼ同じ額が出ていく支出です。変動費は、使い方や季節で毎月の額が変わる支出です。この記事では、家計調査の費目を次のように分けています。

(単位:円、1か月平均、34歳以下の単身勤労者世帯)

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費目分類金額分け方の理由
家賃地代固定費34,148契約で毎月同額
通信固定費6,511スマホ・ネットの契約で毎月ほぼ同額
固定費の小計40,659消費支出の約23%
食料変動費41,938外食(17,996円)の回数で変わる
光熱・水道変動費8,147季節で変わる
交通・自動車変動費14,660移動の回数で変わる
教養娯楽変動費24,659趣味・旅行で変わる
交際費変動費12,742付き合いの回数で変わる
日用品・衣服・医療ほか変動費36,420上の変動費を除いた残り
変動費の小計138,566消費支出の約77%

<出典:総務省「家計調査年報(家計収支編)」単身世帯 第2表/2025年をもとに分類>

この分け方では、34歳以下の単身勤労者世帯の固定費は月約4.07万円、変動費は約13.86万円です。ただし家賃地代の平均には家賃を払っていない世帯も含まれており、賃貸の場合の家賃は月約4.41万円になります(計算方法は「一人暮らしの生活費は月いくら?」)。生命保険などの保険料(同じ世帯で月4,727円)は、家計調査では消費支出の外に計上されていますが、自分の表では固定費に入れてください。

固定費は一度見直すと毎月の効果が続き、変動費は月ごとの使い方で増減します。表2を作ると、どちらから手をつけるかを金額で比べられます。

表3 先取り貯蓄の額を先に決める

先取り貯蓄とは、手取りが入った時点で貯蓄分を別の口座に移し、残った額で生活する方法です。表1の手取りから表3の先取り額を引き、残りを表2の固定費と変動費に割り振ります。

家計調査の黒字は、手取りから消費支出を引いた額です。総務省の公表資料は、黒字の定義を次のように書いています。

「黒字とは、可処分所得から消費支出を差し引いた額である。」——総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」

可処分所得に対する黒字の割合(黒字率)は、34歳以下の単身勤労者世帯で約42.5%、世帯主が40歳未満の二人以上の勤労者世帯で44.4%です。ただし黒字には、預貯金の増加だけでなく、借入金の返済や賞与のならし分も含まれます。

一方、金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査」(2025年、単身世帯)では、金融資産を持つ世帯のうち、過去1年間の手取り収入から金融資産へ「全く振り分けなかった」世帯が20歳代で56.6%、30歳代で51.4%となっています。平均では余っているように見えても、毎月の仕組みにしないと貯蓄に回らない世帯が半数前後あることがわかります。

先取り額を決めるときは、次の表から自分の手取りに近い行を選んでください。

(単位:円、1か月)

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毎月の手取り手取りの5%10%15%20%
20万円10,00020,00030,00040,000
25万円12,50025,00037,50050,000
30万円15,00030,00045,00060,000

割合に正解はありません。手取りから固定費(表2)を引いた残りで、変動費を賄えるかを確かめながら選ぶと、無理のない額になります。

3つの表が続かなくなる原因と避け方

表を作っても、実際の支出とずれると続かなくなります。ずれる原因は、ある程度決まっています。

  • 年に数回の支出が抜けている: 家計調査の月平均は年計を12で割った値です。家電の買い替え、帰省、更新料、年払いの会費などは、年額を12で割って表2の固定費に「積立」として入れておくと、出費の月に予算が崩れません。
  • カード払いで支出の月がずれる: クレジットカードは使った月と引き落としの月が違います。表2は「使った月」で記録し、引き落とし額とは別に管理すると、月ごとの比較がしやすくなります。
  • 平均と比べすぎる: 平均は一部の大きな値に引っ張られます。J-FLECの単身世帯調査は、金融資産の平均値(919万円)について「全世帯(金額無回答を除く)のうち8割弱が平均値よりも保有額が少なくなった」と説明しており、中央値は130万円です。比べる相手は平均ではなく、先月の自分の表にすると変化がわかります。
  • 手取りが変わったのに表を直していない: 昇給、扶養の変更、住民税の天引き開始で手取りは変わります。給与明細の差引支給額が変わった月に表1を直してください。配偶者がパートで働く世帯は「パートの「年収の壁」はいくら?」で手取りの変わり方を確認できます。

次にやること

  1. 給与明細3か月分の「差引支給額」を書き出し、平均を表1の手取りにしてください。
  2. 銀行口座とカードの明細から、家賃・通信・保険など毎月同じ額の引き落としを拾い、表2の固定費の小計を出しましょう。残りが変動費と先取り貯蓄に使える額です。
  3. 自分で表を作っても判断がつかない場合は、J-FLECの「はじめてのマネープラン」で家計管理の相談を無料で体験できます(電話相談は最大30分・予約不要、対面・オンラインは最大1時間・事前予約制)。J-FLECは、この相談では個別の金融商品・サービスの提案や推奨はできないとしています。

この記事の作り方

  • 数字は官公庁・業界団体などの公表資料から引用し、記事ごとに出典名と年を明記しています。
  • 出典の最新版が出たら数字を確認し、更新日を書き換えます。
  • 特定の商品の購入や投資をすすめる記事ではありません。

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