副業の始め方

「必ず儲かる」副業の勧誘はどこで見分ける?相談事例から読むサイン

更新日 2026.10.15 出典:国民生活センター「情報商材」(2026年)・注意喚起(2026年5月)、消費者庁「特定商取引法ガイド」

公開:2026年10月|最終更新:2026年10月

本文の数字は2026年10月時点の公表資料・公式ページと照合しています。

制度や料金は変わることがあるため、手続きの前に公式ページで最新の条件を確認してください。

見分ける基準は「収入を得るはずの副業で、先にお金を払う・借りるよう求められるか」です

国民生活センターが2026年5月19日に公表した注意喚起「簡単なタスクで稼げるとうたう副業トラブルに注意!」によると、最初に少額の報酬を払い、その後「高額報酬のタスク」「タスクを失敗した連帯責任」などを理由に振り込みを求める手口が目立っています。翌5月20日には、副業のサポート費用などを複数の消費者金融から借り入れさせる手口についても注意を呼びかけました。

どちらの手口にも共通するのは、収入を得るための副業なのに、報酬より先にこちらがお金を払う、または借りるよう求められる点です。この記事では、国民生活センターの相談件数と相談事例、消費者庁の特定商取引法ガイドをもとに、勧誘の段階で気づけるサインと、契約してしまった後の確認先を整理します。

情報商材の相談は2023年度に6,256件、新しい手口の注意喚起が続いています

国民生活センターは、副業や投資、ギャンブル等で高額収入を得るためのノウハウと称して売られる情報を「情報商材」と呼び、PIO-NET(全国の消費生活センター等の相談情報データベース)に登録された相談件数を公表しています。国民生活センター「情報商材」(2026年7月31日更新)によると、相談件数は2023年度の6,256件から2025年度の2,623件へ減っています。

件数が減っても、手口がなくなったわけではありません。国民生活センターは同じページで、情報商材をきっかけに電話やWeb会議で高額な副業コンサルティングやサポート契約を勧誘されるケースが目立つとしています。2026年5月の注意喚起では、副業や投資を勧誘する業者が複数の貸金業者から借り入れさせるケースが「急増している」として、日本貸金業協会に対策を要望しています。

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年度相談件数
2023年度6,256
2024年度4,163
2025年度2,623
2026年度(5月31日まで)182(前年同期285)

(単位:件。消費生活センター等からの経由相談は含まない)

は期間中で最も多い年度

<出典:国民生活センター「各種相談の件数や傾向:情報商材」/2026年7月31日更新>

相談事例に見る勧誘の流れは、広告からメッセージアプリ、支払いの順です

国民生活センターが2026年5月に紹介した相談事例は、入口の広告から支払いまでの流れがよく似ています。SNSや動画広告、インターネット検索で「動画を見るだけ」などの作業の広告を見つけ、メッセージアプリで業者とつながり、作業や契約の後に支払いや借り入れを求められる、という順序です。

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段階相談事例で実際にあったことこの段階で確かめること
入口「簡単に稼げる」というSNSの投稿を見て、メッセージアプリで事業者とつながった(2025年11月受付、20歳代)仕事の内容と、仕事を発注する会社名がわかるか
連絡メッセージアプリで「動画を見て“いいね”をしたらお金をもらえる」と言われた(2025年11月受付)。相手の連絡先はメッセージアプリのアカウントだけで、会社名もわからない(2025年10月受付、30歳代)会社名・所在地・連絡先を書面やサイトで確認できるか
最初の報酬3日間作業をして約2,500円が振り込まれた(2025年11月受付)少額の報酬は、その後の支払い要求の前ぶれになることがある
支払い要求「失敗したのでグループの連帯責任になる」と言われ、約50万円を入金した(同上)収入を得るための副業で、こちらが払う理由があるか
借り入れ画面共有アプリで指示され、その日のうちに複数の消費者金融から合計450万円を借り入れた(2024年11月受付、20歳代)借り入れを指示されたら、その場で手続きを止める

<出典:国民生活センター「簡単なタスクで稼げるとうたう副業トラブルに注意!」(2026年5月19日)、「副業サポートや投資の名目で借金させる業者に注意!」(2026年5月20日)>

国民生活センターは、業者から「すぐに返済できる」と言われて借り入れた場合でも、返済の義務は借りた本人に残ると説明しています。

「副業や投資を勧誘する業者から「すぐに返済できる」と言われて借り入れをした場合であっても、その借り入れに対する返済義務は借り入れをした消費者が負います。」——国民生活センター(2026年5月20日公表)

勧誘の段階で気づける6つのサイン

副業の勧誘を見分けるサインは、国民生活センターの相談事例とアドバイスから6つに整理できます。一つでも当てはまれば、その場で支払いや登録を進めず、内容を確認してから判断すると被害を避けやすくなります。

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サイン避けるためにできること
「スクリーンショットを撮るだけ」「コピペするだけ」など、作業が簡単すぎる広告広告の文言だけで登録せず、仕事の内容と発注元を先に確認する
会社名・所在地がわからず、連絡がメッセージアプリだけ会社名と所在地を確認できない相手とは契約しない
報酬を受け取る前に、手数料・連帯責任・サポート費用などの支払いを求められる振り込まずに消費生活センター等へ相談する
消費者金融からの借り入れを指示される、年収や職業を偽って申し込むよう言われる借り入れをせず、虚偽の申告は絶対にしない
遠隔操作アプリのインストールや画面共有を求められるインストールや画面共有を許可しない
契約書面を受け取っていない書面の交付を求め、受け取った日付を控えておく

<出典:国民生活センター 2026年5月19日・20日公表資料の相談事例と「消費者へのアドバイス」をもとに作成>

国民生活センターは、2026年5月20日の資料で「簡単にお金を稼げるようなうまい話はなく、借金をすぐ返せる保証もまったくありません」と書いています。個人情報についても、相手が誰か不明な場合は住所や銀行口座、免許証などを安易に教えないよう呼びかけています。

契約してしまったら、取引の形でクーリング・オフの期間が変わります

副業の契約は、勧誘のされ方によって特定商取引法上の取引の形が変わり、クーリング・オフ(一定期間内なら無条件で契約を解除できる制度)の有無と期間も変わります。消費者庁の特定商取引法ガイドでは、「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で誘い、仕事に必要だとして商品等を売る取引を業務提供誘引販売取引と呼んでいます。

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取引の形どんな場合かクーリング・オフ
業務提供誘引販売取引仕事を提供すると誘い、仕事に必要だとして商品や講座などを売る法律で決められた書面を受け取った日から20日以内
電話勧誘販売事業者が電話で勧誘し、申込みを受ける(電話を切った後に申し込む場合も含む)法律で決められた書面を受け取った日から8日以内
通信販売広告を見て、自分でネット等から申し込むクーリング・オフの規定はない。広告に返品の特約があれば特約に従い、なければ商品の引渡しから8日以内なら申込みの撤回や解除ができる

<出典:消費者庁「特定商取引法ガイド」業務提供誘引販売取引・電話勧誘販売・通信販売のページ/2026年10月確認>

各取引の詳しい条件は、特定商取引法ガイドの電話勧誘販売と通信販売のページにも書かれています。どの取引の形に当たるかは、勧誘の経緯と契約の内容で決まるため、自分だけで判断するのは難しい場合があります。クーリング・オフの期間は書面を受け取った日から数えるので、契約書面と受け取った日付、相手とのやり取りの画面を保存しておくと、相談のときに状況を正確に伝えられます。

次にやること

  1. 副業の業者からお金や借り入れを求められたら、振り込む前に消費者ホットライン「188」に電話し、最寄りの消費生活センター等に相談してください(消費者庁「消費者ホットライン」)。
  2. 詐欺の疑いが強い場合は、警察相談専用電話「#9110」にも相談できます。
  3. 契約書面、振込や借り入れの記録、メッセージアプリのやり取りを削除せずに保存しておきましょう。

副業の種類と実際の収入の分布は「おすすめの副業は?統計で見る副業の種類と収入」で、副業の所得にかかる税金の手続きは「副業の所得が20万円を超えたら何が必要?」で整理しています。

この記事の作り方

  • 数字は官公庁・業界団体などの公表資料から引用し、記事ごとに出典名と年を明記しています。
  • 出典の最新版が出たら数字を確認し、更新日を書き換えます。
  • 特定の商品の購入や投資をすすめる記事ではありません。

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