副業の始め方

副業の所得が20万円を超えたら何が必要?確定申告と住民税の流れを整理

更新日 2026.10.15 出典:国税庁 タックスアンサーNo.1900・No.2020、国税庁「所得税基本通達の解説」(2022年)

公開:2026年10月|最終更新:2026年10月

本文の数字は2026年10月時点の公表資料・公式ページと照合しています。

制度や料金は変わることがあるため、手続きの前に公式ページで最新の条件を確認してください。

20万円を超えたら所得税の確定申告、業務委託などの所得は20万円以下でも住民税の申告が必要です

国税庁のタックスアンサーNo.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(2026年4月1日現在法令等)によると、給与を1か所から受けて年末調整を受けている会社員は、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。20万円以下なら所得税の確定申告は原則不要ですが、住民税は扱いが別で、業務委託や自営など給与以外の副業の所得は、市区町村への申告が必要になります。副業も給与だけの場合は、勤務先から市区町村に出される給与支払報告書で足りることが多く、扱いは住んでいる市区町村で確かめられます。

ここでいう20万円は、売上や入金額ではなく「所得」(収入から必要経費を引いた金額)です。副業がアルバイトなどの給与の場合は、判定に使う金額が変わります。この記事では、2026年分の副業収入を前提に、判定の方法、所得の区分、税額の目安、申告の流れを順に整理します。

「20万円」は副業の形によって数え方が変わります

副業の20万円の判定は、副業が業務委託・自営の仕事か、給与をもらう仕事かで使う金額が変わります。国税庁のタックスアンサーNo.1900は、給与を1か所から受けている人について、確定申告が必要な人を次のように定めています。

「各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人」——国税庁 タックスアンサーNo.1900(2026年4月1日現在法令等)

給与を2か所以上から受けている場合は、「年末調整されなかった給与の収入金額」と、給与・退職以外の所得の合計で判定します。給与の副業は、経費を引く前の収入金額で数える点が、業務委託の副業と違います。

表は横にスクロールできます →

副業の形20万円の判定に使う金額この前提では(例)
業務委託・自営の副業だけ副業の所得(収入−必要経費)の合計収入35万円・経費10万円なら所得25万円で、確定申告が必要
給与の副業(アルバイトなど)がある年末調整されなかった給与の収入金額+給与以外の所得の合計副業先の給与収入15万円+業務委託の所得8万円で23万円となり、確定申告が必要

<出典:国税庁 タックスアンサーNo.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(2026年4月1日現在法令等)をもとに作成>

タックスアンサーNo.1900には、給与の合計額が少ない人の例外や、確定申告で税金が戻る人の扱いも書かれています。自分がどの条件に当たるかは、本業の源泉徴収票と副業の収入の記録を手元に置いて、タックスアンサーの条文と照らし合わせると確かめられます。

雑所得か事業所得かは、帳簿の記録と保存が目安になりました

業務委託や自営の副業の所得は、「業務に係る雑所得」か「事業所得」のどちらかに区分されます。国税庁は2022(令和4)年10月7日に所得税基本通達を改正し、その解説で、取引を帳簿に記録して保存しているかどうかを区分の目安として示しました。

「その所得に係る取引を帳簿書類に記録し、かつ、記録した帳簿書類を保存している場合には、その所得を得る活動について、一般的に、営利性、継続性、企画遂行性を有し、社会通念での判定において、事業所得に区分される場合が多いと考えられます。」——国税庁「雑所得の範囲の取扱いに関する所得税基本通達の解説」(2022年)

表は横にスクロールできます →

副業の収入金額帳簿の記録・保存あり帳簿の記録・保存なし
300万円超概ね事業所得(注)概ね業務に係る雑所得(事業所得と認められる事実があれば事業所得)
300万円以下概ね事業所得(注)業務に係る雑所得

<出典:国税庁「雑所得の範囲の取扱いに関する所得税基本通達の解説」(参考)事業所得と業務に係る雑所得等の区分(イメージ)/2022年>

表の(注)は、帳簿を保存していても事業と認められるかを個別に判断する場合です。解説では、収入金額が例年(概ね3年程度)300万円以下で主たる収入に対する割合が10%未満の場合は「僅少と認められる場合」に当たると考えられる、とされています。会社員の副業で収入が本業の1割に届かない場合は、帳簿があっても雑所得になることがあります。区分に迷う場合は、帳簿と収入の記録を持って税務署に確認すると判断が確実になります。

税額の目安を試算します(所得25万円の場合)

副業の所得にかかる税金は、本業の給与と合算した所得に税率をかけて計算します。ここでは、次の前提で副業分の税額の目安を試算します。

  • 副業は業務委託で、2026年の収入35万円、必要経費10万円、所得25万円
  • 本業の課税所得は変わらず、副業の25万円を足しても所得税の税率の区分をまたがない
  • 所得税の税率は国税庁 タックスアンサーNo.2260 の速算表(課税所得195万円未満は5%、195万円以上330万円未満は10%)、復興特別所得税は所得税額の2.1%
  • 住民税の所得割は総務省の説明のとおり10%、控除の変化や均等割は考えない

表は横にスクロールできます →

本業の課税所得所得税復興特別所得税住民税(所得割)合計
195万円未満(税率5%)12,50026225,000約3.8万円
195万円以上330万円未満(税率10%)25,00052525,000約5.1万円

(単位:円。合計は千円の位で四捨五入)

<出典:国税庁 タックスアンサーNo.2260「所得税の税率」(2026年4月1日現在法令等)、総務省「個人住民税」をもとに試算>

この前提では、副業の所得25万円に対して税金は約3.8万〜5.1万円になります。実際の税額は、ふるさと納税などの控除や、本業の給与額で変わります。なお、国税庁の同じページによると、2027(令和9)年1月1日以後に生じる所得では復興特別所得税の税率が1.1%に下がり、防衛特別所得税が加わるため、2027年分からは計算方法が変わります。

業務委託などの所得が20万円以下の場合は、所得税の確定申告は原則不要でも、住民税は残ります。同じ前提で所得が15万円なら、住民税の所得割は約1.5万円です。

申告の流れは「記録 → 判定 → 申告 → 住民税の確認」です

副業の申告は、1年間の収入と経費の記録から始まります。国税庁のタックスアンサーNo.2020「確定申告」によると、確定申告の期間は「原則として、その年の翌年2月16日から3月15日まで」です。2026年分の副業収入なら、2027年2月16日から3月15日までが原則の期間になります。

記録から住民税の申告まで、20万円の判定でどこに分かれるかを図にすると、次のとおりです。

副業の所得から確定申告・住民税までの流れ1. 2026年1月から12月の副業の収入と経費を記録し、請求書と領収書も保存する。2. 20万円の判定に使う金額を出す。業務委託・自営だけなら所得(収入から必要経費を引いた金額)、給与の副業があるなら年末調整されなかった給与の収入金額と給与以外の所得の合計。3. その金額が20万円を超える場合は、2027年2月16日から3月15日に所得税の確定申告をする(2026年分の場合)。確定申告をすれば住民税の申告は別にしなくてよい。20万円以下の場合、所得税の確定申告は原則不要。業務委託・自営の所得があるなら、住んでいる市区町村へ住民税の申告が必要。副業も給与だけなら、申告が要るかを市区町村で確認する。① 1年間の収入と経費を記録する2026年1〜12月。請求書・領収書も保存する② 20万円の判定に使う金額を出す業務委託・自営だけ:所得(収入−必要経費)給与の副業がある:年末調整されなかった給与の収入金額+給与以外の所得その金額が20万円を超える?超える20万円以下③ 所得税の確定申告2027年2月16日〜3月15日(2026年分の場合)住民税の申告は別にしなくてよい所得税の確定申告は原則不要業務委託・自営の所得あり住民税の申告が必要(住んでいる市区町村へ)副業も給与だけ要否を市区町村で確認

<出典:国税庁 タックスアンサーNo.1900・No.2020、名古屋市「市民税・県民税の申告に関するQ&A」、広島市「所得税などの確定申告、市民税・県民税の申告」をもとに作成>

時期ごとの手順と確認先は、次の表のとおりです。

表は横にスクロールできます →

時期すること確認先
2026年1〜12月副業の収入と経費を記録し、請求書・領収書を保存する国税庁「所得税基本通達の解説」
年末調整の後本業の源泉徴収票を受け取り、副業の所得の合計を出す勤務先
2027年2月16日〜3月15日所得が20万円超なら確定申告書を作成・提出する国税庁「確定申告書等作成コーナー」、e-Tax
確定申告をしない場合業務委託などの所得は20万円以下でも住民税の申告をする。副業も給与だけなら、申告が要るかを市区町村に確認する住んでいる市区町村の住民税の窓口

<出典:同上>

確定申告書は、国税庁の確定申告書等作成コーナーで作れます。タックスアンサーNo.2020は「画面の案内に沿って金額を入力することによりご自宅等で確定申告書等の作成・提出ができます」と案内しています。電子申告の手続きはe-Taxの公式サイトにまとまっています。

住民税は、所得税の確定申告をすれば別に申告する必要はありません。名古屋市の案内(2026年1月更新)は、給与以外の所得がある会社員について「市民税・県民税には、所得税のような申告の省略範囲はなく、原則としてすべての所得を申告する必要があります」としています。横浜市の案内も、住民税は所得の多少にかかわらず給与所得と合算して計算すると説明しています。一方で広島市の案内(2026年1月更新)は、申告が不要な人として「昨年中の収入が給与収入のみで、勤務先から「給与支払報告書」が提出されている人」を挙げています。副業がアルバイトなどの給与だけなら、この扱いに当たるかを住んでいる市区町村で確認してください。申告書の様式と期限は市区町村ごとに案内されているので、住んでいる市区町村のページで確かめてください。

次にやること

  1. 2026年1月から今日までの副業の収入と経費を書き出し、「収入−経費」で所得を計算してください。
  2. 所得が20万円を超えるかどうかを、タックスアンサーNo.1900の条件と照らし合わせて確認してください。
  3. 業務委託などの所得が20万円以下でも、住んでいる市区町村の住民税の申告ページで、申告書の様式と期限を確認しておきましょう。

副業の種類ごとの手続きの違いは「おすすめの副業は?統計で見る副業の種類と収入」で、副業の名目でお金を求められたときの見分け方は「「必ず儲かる」副業の勧誘はどこで見分ける?」で整理しています。確定申告という制度全体の説明はWikipedia「確定申告」にもまとまっています。

この記事の作り方

  • 数字は官公庁・業界団体などの公表資料から引用し、記事ごとに出典名と年を明記しています。
  • 出典の最新版が出たら数字を確認し、更新日を書き換えます。
  • 特定の商品の購入や投資をすすめる記事ではありません。

編集方針と出典の確認方法 ›